ほめることもしかることも、子どもにとって大好きな保育者が言ってくれるからこそ心に響き、その子の育ちにつながります。子どもとの信頼関係を築きつつ、保育者の思いが、より子どもの心に届くよう、自分のほめ方、しかり方を見直してみましょう。
「しかり方」3つのポイント
1.よいところやがんばりを認め、共感する
保育のなかでの「ほめる」とは、子どもの気持ちに寄り添い、その子の成長を認め、できた喜びに共感することです。それによって子どもは自己肯定感と、もっとがんばろうというやる気を獲得します。
2.その場ですぐにほめる
気づいたら、あとまわしにせずほめ、子どもといっしょに喜ぶ習慣をつくりましょう。タイミングを逃さずほめてもらえると、子どもは「先生はちゃんと見てくれていた!」と、とてもうれしく感じます。すぐほめる意識を持つことで、子どものよいところを見つけられるようにもなります。
3.具体的に気持ちを伝える
がんばった、よかったポイントを子どもに具体的に伝えましょう。「先生は自分のことをわかってくれている!」と子どもが感じられることがだいじです。保育者自身のうれしい気持ちを伝えると、子どもの心により届きます。
「しかり方」3つのポイント
1.子どもとの信頼関係が大前提
信頼関係ができていないと、しかっても効果がありません。注意されたことをすなおに受け入れられるように、子どもと真剣に向き合い、きちんと目を見て話すようにしましょう。しかる時だけでなくふだんから子どもとの関係を大切にし、理解し、見守ろうとする意識を持つことが大切です。
2.感情的に怒らない
子どもは「責められた」と感じると、傷つき、自信をなくすこともあります。感情的にしかっても、子どもとの関係が悪くなるだけで、子どもには肝心の「いけないこと」「直さなくてはいけないこと」が理解できません。しかったあと、注意されたことが直せたらほめ、スキンシップをとるなど、フォローすることも忘れずに。
3.わかりやすく簡潔に伝える
注意のことばは、子どもに理解してもらうことがいちばんの目的です。くどくどとしかっても、子どもの心には届きにくくなります。なぜいけないのか、どう直してほしいのかを、わかりやすく簡潔に伝えましょう
お話をしてくれた人

山崎あづま先生
私立保育園元主任保育士
取材・文/高橋さやか イラスト/セキ・ウサコ 出典:『PriPri プリプリ』2014年11月号